不動産屋をやめて転職を思い立ったきっかけ

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不動産屋って、僕には合わなかったのかも?

不動産屋って、僕には合わなかったのかも?

 25年以上も不動産屋をしていたのに、何をいまさら・・
 そういう声が聞こえてきそうですが、僕にはそう思えて仕方ないのです。

 不動産業界に飛び込んだのは、学生バイトの延長で、化学分析の仕事をしていたときでした。
 化学分析のバイトを始めた当初は、子どもの頃から憧れていた弁護士になるべく、バイトかたわら司法試験の予備校に通っていたのです。
 朝から夕方までのバイトで疲れ、受験予備校での授業は睡眠時間になってしまうこともしばしば。
 周りは、一流大学の学生や卒業生が、司法試験を目指し、朝から晩まで勉強室に閉じこもりガリガリやっています。

 こちとら、トラック運転手の父親の薄給で生活している身。
 受験予備校の学費も自分でローンを組み、交通費をねだる訳にもいかず、バイトをやめることはできません。
 数年間頑張ってきましたが、バイトで勉強時間も取れず、もともと大して良いおつむではない自分が、一流大学の面々が朝から晩まで勉強して臨む司法試験に、とうてい勝てるように思えなくなってきたのです。

 そうこうしているうちに年齢は25歳になり、当時付き合っていた2つ上の彼女は27歳となります。
 僕はまだまだそんなつもりはなかったのですが、当時の27歳の女性としては、既に行き遅れの部類だったのか、下に妹がいるという家庭の事情があったのかは判りませんが、
 突然「私は28歳で結婚する!」 と宣言したのでした。

 「えっ?僕とだよね?」そう聞き返す自分に、彼女は「あなたが無理なら、他の人とでも」と言うではありませんか。
 結婚を焦っていたのか、はたまた何かの占いなのか、「どういうこと?」とは思いましたが、彼女は「私は28歳で結婚することに決めた」との一点張り。
 そういう彼女の心境は還暦になった今でも判らないし、怖くて聞くこともできませんが、元々、慎重に物事を考えないタイプの僕は、彼女の言葉に引っ張られ、結婚することになったのです。

 それでもしばらくは司法試験を目指していました。
 が、既に意地になっていたかのような気持ちは長くは続きませんでした。

 受験予備校も辞め、バイトの延長の化学分析の仕事一本の生活です。
 正社員にならないか?との有難い言葉もいただいたのですが、法学部出身で弁護士を目指していたため、理系の化学分析の仕事が一生の仕事になるとは考えられず、法律を活かせ、将来独立を目指せる不動産業界へ飛び込むことを決意したのです。

 引き留める会社の先輩からは、「不動産業界なんて、生き馬の目を射抜くような世界、おまえには合ってない、考え直せ」と言われたのです。
 いや、でも法律を勉強してきたバリバリの文系、こっちの化学分析の仕事の方が合わんやろ、と当時は思えど口には出さず、不動産業界の門を叩いたのでした。 

不動産業界 思えば早い30年

 不動産業界で初めて入った会社が、デベロッパー。
 自社で土地を買い、ゼネコンにマンションを発注し、販売するという会社です。
 2年ほどいましたが、平成バブルの崩壊で、事業縮小。
 そこを退職して、不動産仲介業者へ転職、数年ごとに少しずつ業態の違う不動産業者へ転職を繰り返し、起業の勉強をしたのでした。

 起業し、自分の会社を持ち夢を叶えたようですが、それはスタートに過ぎません。
 順調に売り上げを上げ、会社を大きくしていってこそ、望んでいた独立成功となるということを知らなかったわけではないのですが、思ったようには大きくならなかったのです。

 それは、ひとことで言えば自身の未熟さ、弱さなのでしょう。
 業務に追われ、資金繰りに追われ、社員を雇っても、育てて会社に貢献してもらえるようになるまで、こちらの懐が持ちません。
 いきおい、自分で多くの仕事を抱え、売上に繋がる仕事が疎かになる。

 資金繰りに奔走するようになると、「誠実に」という信念も揺るぎがちとなってしまい、「自社の利益しか考えていない他の業者」が成長しているのを見ると、本当に虚しくなってきました。
 すみません、愚痴ってしまいましたm(__)m。

 そんなことを思いながらも、30年近くの時が過ぎ、還暦目前の年齢に。
 今後も、このまま生き馬の目を射抜く不動産業を続けるのか?自問したところ、60歳を境に、自分の心を痛めずにでき、人に喜んでもらえる仕事を選びたいと思ったのです。

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60歳からの転職・副業
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