そんな都合が良い仕事ってあるのか?
メインで働いている大型児童館では、変則的なシフトのため、決められた曜日での仕事ができない。
スポットでの仕事を探して、パソコンのキッティング(初期設定など)や、請負でのサポート(前回記事「曜日や時間に縛られずに仕事ができる 請負業務」)などを行って糊口を凌いでいたものの、これでは安定した収入の確保はできない。
好きな時間、すきま時間で安定して稼げる仕事って、何があるのか考えてみた。
すきま時間に行える仕事って、結局のところ請負系の仕事になってしまう。
例えば、クラウドワークスで、データ入力やライティング、ロゴ作成、アプリ開発など、や、ココナラでスキルを活かした仕事、写真撮影をして素材販売、ウーバーイーツなどのフードデリバリ―などがありそう。
でも、僕のスキルでできるデータ入力やライティングは単価がめちゃくちゃ低いのでパス。
アプリ開発などは、僕のスキルでは無理。
結局、請負でも、それなりに需要があってできそうな、フードデリバリーをすることにした。
フードデリバリーのお仕事
どうやって、フードデリバリーの仕事を始めれば良いのか、ネットでググってみた。
- ウーバーイーツや出前館などの、フード注文・配達のプラットホームへ登録
- デリバリーバッグを準備
- 配達に使うバイクや自転車などを用意
- デリバリースタッフ用のアプリをダウンロード
- アプリへ注文が入るのを待つ
- 店舗に料理を受け取り
- 注文者の指定するところへ配達
- (現金払いの場合)お金を受け取る
- 週ごとに報酬を受け取る
こういう流れで、ウーバーの仕事が始まります。
どうせフードデリバリーをするのなら、複数のデリバリーサービスに登録した方が効率が良いとの情報もあったので、僕は、ウーバーイーツと出前館へ登録。
Amazonでデリバリーバッグを登録し、アプリをダウンロード。
配達手段は、(僕が動くエリアでは)効率の良いと思われる、原付2種(125㏄まで)のバイクで業務を行うことにした。
交通法規やデリバリーサービスのテストを経て、本人確認や車両の自賠責保険などの確認ももしっかりされた後に、ドライバーの登録が完了します。
また、名義貸しのドライバーをさせないように、業務前にはカメラで本人確認を行ったりと、意外としっかりとした体制をとっているようだ。
初めての配達
初めてフードデリバリーの配達を行うのは、やっぱり緊張する。
2つのアプリを起動させて待機していると、「出前館」から配達リクエストが入る音がした。
バイクに取り付けたスマホのボタンをクリックすると、自分がリクエストを獲得したことが知らされた。
バイクで5分ほどの場所にある「ケンタッキー」から商品をピックアップし、そこから10分ほどの場所のアパートに住む女性のようだ。
店舗スタッフに挨拶をして、注文番号を確認、商品を確認して受け取ってから、デリバリーバッグに商品を収納、注文者のところへ持っていくのである。
「お世話になっています、出前館です」初めてのピックアップに緊張したが、お店のスタッフは慣れたもので、「番号をお願いします」とすぐに返事が返ってきた。
スマホに表示されている番号を店舗スタッフと確認し、商品を受け取る。
「ありとうございます」「よろしくお願いします」
子ども、いや孫のような店員に見送られながら、ちょっと楽しいかも?と感じた。
店を出て、注文者の家に向かう。
玄関先に商品を置いておく「置き配」を注文者から指定されていたので、アパートの玄関ドア横、まさしく廊下部分に商品を置く。
でも、昭和世代だからなのか、食べ物を地面に置くことに非常に抵抗があったので、あらかじめ用意していた100均で買ったデザインがプリントされた紙を敷き、その上にケンタッキーの袋を置く。
玄関と商品がフレームに入るように写真を撮ると、注文者へ画像を送信し、配達完了となった。
「意外と簡単やん」 そう感じた。
さまざまなトラブルはある
フードデリバリーをしていて、いくつかトラブルに遭遇した。
- 店舗や注文者の家が判らない
フードデリバリーのアプリでは、お店や注文者の指定する(主に自宅)は、地図アプリでナビゲーションされている。
しかし、実店舗では他の名前で営業しているのに、フードデリバリーでは違う名前で営業していたり、なかには実店舗の営業をしているのかどうかも判らないような店なども、かなりある。
例えば、表は餃子の自動販売機を置いただけの店舗なのに、訪ねていくと、裏ではフードデリバリー用の調理をしていたとか、居酒屋チェーン店なのに、ステーキ弁当のお店で登録されていたり。
アプリの中で、店舗情報にそうしたことを記入してもらっていれば良いのだが、そうでない場合などは、付近を何度も周回することになる。
温かい料理などは、作ってから時間が経つと冷めてしまうので、少しくらい調理を待つくらいで店に行きたいのだが、なかなか見つからないとなると、調理済で放置されることになるため、ピックアップしたときには、既にかなり冷めている、注文者のところへ持っていったときには、既に冷めきってしまっていることも。
連携されている地図アプリも、かなり怪しいもので、本当の目的地を指示していないことも頻繁にある。
注文者のアプリにも、近くまで来ているのが判るのだが、いつまで経っても到着しないという現象が起き、最終的に、注文者がこちらまで取りに来てくれるということも。
こちらとしては、恐縮することしかりなのだが・・・・
こうした苦情は、ドライバーからも多く寄せられているようで、少しづつ改善はされているようだが、これが一番頭を悩ませる問題だった。 - 代金引換で釣銭がない
基本的に、フードデリバリーの場合、ネット上でオンライン決済をすることが多いのだが、なかには現金で支払う、代金引換というものもある。
ドライバーとしては、代金引換えに応じるかどうかを選択することができ、応じたドライバーにのみ、代金引換の注文が流される。
少しでも多くの、そして条件の良い注文を取りたいがため、僕は代金引換えに応じることにした。
そうなると、もちろんのこと釣銭の準備が必要なわけだが、何度か代金引換えの注文を取っているうちに、釣銭が無くなることもあり、注文者の玄関先で、釣銭が無く困ったこともあった。
「両替してきますので、ちょっと待っててください」
そうして、近くのコンビニに走り、必要もない水を買ったりすることもあった。 - お金がない
代金引換でのトラブルの続きではあるが、商品を渡し、いざ代金を受け取ろうとしたときに、「あると思っていたお金が財布にない」って注文者から言われたときだ。
代金が受け取れないのに商品は渡せない。
「しかたないから、キャンセルしたい」と言うが、既に調理済みの商品を突き返されても、店に戻すわけにもいかない。
「そう言われましても、困ります」
こんなことは初めてだったので、どう対応して良いかもわからず、サポートセンターへ電話をするも、サポートセンターには繋がらない。
こういった場合は、どう対応するか?というマニュアルを探しても、暗い夜の玄関先では、なかなか見つからない。
結局、今ある分のお金を受け取り、不足分は明日、また取りに来ることを約束して、代金一部不足のまま商品を渡して現場を後にした。
落ち着いたところでマニュアルを確認すると、フードデリバリーサービスの会社が後日、注文者に不足分を請求するのか、どうするのかは判らなかったが、受取額。不足額を会社へ提示することで、不足分を報酬に上乗せして会社が支払ってくれるとのことだ。
なので、ドライバーとしては損害を被ることはなく、次の日に不足分を取りに行くという手間も不要となったのだった。
身体じゅうが鳥の羽まみれ 僕は天使になったんだろうか?
4.事故
フードデリバリーのドライバーは、請負業務なので、業務中に遭遇する事故にも、基本的に自分で対処しないといけない。
ただ、配達員の登録の際に加入する保険というものがあり、配達中に事故にあった場合には、その保険が適用となり、保険金が下りてくるようになっている。
フードデリバリーに慣れてくると、配達途中でも次の注文を受け取ったりするようにもなる。
配達が完了するだろうと見込める時間から、店舗の場所によっては、ピックアップに十分間に合うと判断できるようになるからだ。
12月の寒い夜、例の「代引なのにお金がない」というお客さんに当たったとき、トラブル解決の方法などを探しているときに、つい次の配達を受け付けてしまっていた。
そして、そのお客さんとのやり取りに時間がかかり、次の店に行こうとしたときには、予定の時間に大幅な遅れが生じていた。
不足したお金をどうするのか?などの問題が解決されないままの運転、ピックアップには遅れているとう状況、普段は安全第一の慎重な運転なのに、そのときに限って、頭はそのことでいっぱい、早く到着しないといけないという焦り、思ったより前の車との車間距離が詰まっていたようだ。
もうすぐピックアップ予定の回転寿司店に着くという直前、前を走る車が急ブレーキをかけた。
すぐ横にある焼き肉店に急に入ろうとしたのか?後ろにピタッと着くバイクに腹を立てたのか?今となっては判らない。
僕のバイクが前の車にぶつかりそうになり、急ブレーキを掛け、横滑りに滑っていったあと、前の車は焼き肉店には入らず、その横の路地を逃げるように過ぎていった。
不幸中の幸いなのか、横滑りに滑ったバイクは対向車線にはみ出すこともなく、通行人にぶつかることもなく、自動販売機が設置されている少し広くなった道の側で横倒しになったまま止まった。
たまたま近くを通っていた通行人のご婦人に「大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」「前の車は行っちゃいましたけど、警察を呼びましょうか?」と。
この人も、前の車が急ブレーキを掛けたことで、僕が横倒しに滑ったのを見ていたのだった。
左側に倒れたままアスファルトを滑った。
肘や太腿が痛かったが、実際には、どこがどうなっているのかは判らない。
しかし、頭も打っていないようだし、立つことも普通にできるので、骨は折れてはいないだろう。
遅れている次の店のピックアップを考えると、警察を呼ぶことも躊躇われた。
また、たとえ警察を呼んだところで、前の車と接触したわけでもなく、車間距離をとっていなかった自分にも責任はある。
事故証明を発行してもらうことで保険請求はできるかもしれないが、前の車との因果関係を見つけ出すのは容易ではないと判断し、回転寿司店に向かった。
暗いのでバイクの損傷は判らない。
ハンドルが少し曲がっていたようだが、乗るのにも支障はない。
ハンドルに取り付けられた歪んでいたミラーを調整し、回転寿司店に向かった。
店の前まで来て判ったのは、着ていたダウンジャケットが破れ、周囲に羽が飛び散っていること、防寒用のズボンが破れ綿がむき出しになっていることだった。
なんとか、ピックアップをして配達を終えた、回転寿司の入口付近に散乱していた羽毛でお店に人に迷惑がかかっていないかを心配しながら、家路に向かった。
でも、羽毛が散乱したのが回転寿司店でまだマシだったかとも思う。
ケンタッキーの店の前だとしたら、と想像しただけで身体が震えた。
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